「くえびこ」の由来
「くえびこ」とは昔の「カカシ」の呼び名です。
昔は一本足などの障がい者が「村」の為に役立っていたと伝えらています。
障がいを持つ者が大切な「火」を守るとか、「畑」に群がる鳥や害虫を追い払っていたと言われています。
私たちも障がいを持っていても「社会」の為に何らかの形で役立つことを信じ、
「くえびこ」という名称をつけました。
「くえびこ」の沿革
「くえびこ」は1982年4月に脳性マヒなどの全身性の障がいを 持つメンバーが障がい者が地域で生きることを自身と社会に問う活動に取り組む為、相模原市障害者地域作業所として開設されました。
その活動の通り「 障がい者が地域で生きる会 」という団体名で障がい当事者自身が運営し、障がい者の自立と社会参加をすすめる制度改革をはじめ、「障がい」について地域住民の理解と認識を深め、 変える障がい者の基本的人権の確立を目指してきました。
「くえびこ」開所当時は 、障がいがある人は就学前なら陽光園、学校なら養護学校、或いは地域の特殊学級を卒業すれば大きな入所施設か在宅と進 路は大体決まっていました。
障がいがある人でも「普通に暮らしたい」という思いのもとに「 仲間が集まって学習したり、話し合いをしたり、おしゃべりをし、お互いに「己れを高め合う場 」として「くえびこ」は作られたのです。
「くえびこ」は何をする(何を作っている)所か...?
「くえびこ」の人はほとんどが全身に障がいがある為、体に無理のない想像性を活かせる物ということで陶芸や藍染製品を作っていましたが、今は職員の手を借りながらアクリル毛糸で編む「アクリルタワシ」やペットボトル のキャップとダンボールを使用して「帽子マグネット」「ビーズ製品」等が 主な作業です。
なぜ作業に重点を置かないのか?
「くえびこ」の利用者さんのほとんどが「脳性マヒ」という障がいを持っていて、その為「手を動かす、足を動かす」という「運動」の部分がうまく機能しない為「自分の思うように動かない」或いは「自分は楽 にしていたいのにいつも勝手に体に力が入ってしまう」「力が入らないのは眠っている間だけ...」という人や 「脳性マヒ」と言っても一人一人「違う」のが特徴です。
反対に全然力が入らない人など、自分の意思とは無関係に絶えず動いている為、若いうちから腕や手首、腰や首に痛みや痺れが生じ、重症になると手術が必要となることもあります。(二次障害)
このように作業に重点を置くには少々難しい点が多いのです。